お手玉の歴史 | 東京おてだま

お手玉の歴史

お手玉とは言っても、今、私たちが手に取っているものは、玉ではなく、袋に包まれたものです。では、最初はどのようなものだったのでしょうか。

 

世界で最も古いと言われているものは、黒海周辺の遊牧民の遺跡から見つかっています。羊の足の踵(かかと)の骨で、大きさは親指大のものです。現在ではヨーロッパなどの多くの博物館で見られます。これがやがて、シルクロードを通り、インド、中国などに伝わります。現在でも、中国をはじめモンゴル、オーストラリア、ヨーロッパなどの国々で使われているところもありますが、アジアでは羊の骨の代わりに身近な小石を使うようになりました。

そして、今から約1300年前に、中国から日本に伝わりました。当時は身分の高い人たちの間で遊ばれていたとされています。法隆寺の宝物に「石名取玉」というものがあり、16個の水晶の玉が保管されており、聖徳太子が幼少のとき使ったものと言われています・また、一般には平安時代に石を使った「石なご」という名でお手玉遊びをしていたという記録もあります。そして、江戸時代に、とうとう、布のお手玉が登場しました。一大発明です。布の中に、粟、ひえ、大豆などをいれて、お手玉としました。布のお手玉が広がると、石なご遊びは姿を消し、江戸時代から明治時代にかけて、今の座布団型のお手玉がでてきました。その後、昭和時代にかけて中身が小豆や数珠玉となり、現在はペレット(樹脂)が主流となりました。

 

布に包まれたお手玉は日本独特のものです。この伝統をいつまでも伝えていきたいと思います。

2017年10月14日 10:13 PM  カテゴリー: お手玉ちょっといい話, 会員コラム